~めっけもん通信~


 現在“文化な発見プロジェクト”など多数の事業を行う『地域コーディネートセンターみやこ』。前身は、宮古市の復旧復興をリードしていくために地元の若者が中心となり結成された「宮古災害復興支援活動チームM.A.D」と言う団体でした。

                 
 今回は、地域コーディネートセンターみやこ 代表理事の金野 侑(こんの ゆう)さんに、今後の復興に必要な息の長い復興への取り組みについてお話を伺います。 

『みやこほっこり映画祭』を通して改めて感じた宮古市の魅力
 心が“ほっこり”温まるようにと昨年11月に『みやこほっこり映画祭』が“みやこシネマリーン”と末広町商店街にある「りあす亭」を会場に、震災後初めて開催されました。その映画祭の実行委員長を務めた金野さんは「みやこシネマリーンという岩手県沿岸唯一の映画館が宮古市にあることは誇りでもあり宝物だと改めて感じました。映画を見るという空間を共有するということは、現代社会で忘れかけられているものを思い出させてくれます」と開催の感想を述べられています。

鍬ヶ崎(くわがさき)(くわがさき)地区で開催された幻灯会が多くの住民を救った
 明治29年、鍬ヶ崎小学校落成を祝うために行われた幻灯会には、子どもから大人まで多くの住民が高台の講堂に集まっていました。この日、三陸沖地震が発生し甚大な被害をこうむりましたが、幻燈会に参加していた方々は助かり『多くの命を救った幻灯会』として語り継がれてきました。
震災から2年がたち、これからは地域の中で支え合っていくことが本当に必要になってくる時期。過去のエピソードを伝えることでより強くそのことを感じてほしいと、『番屋』と呼ばれる漁師街ならではの作業場兼宿泊施設で、今年の3月にシネマリーンの協力の下『港の幻灯会・映画上映会』を開催。多くの方から共感の声を戴きました。

文化な発見プロジェクト
 『文化な発見プロジェクト』では、“港は文化の出入り口”をヒントに宮古市鍬ヶ崎地区を中心として『ほっこり茶の間』というサロン活動や『鍬ヶ崎かわらばん』での情報発信などに取り組んでいます。
『M.A.D』時代から継続してきた支援活動を通して、住民の方から「1年前と比べても変化を感じることができない」との声や仮設住宅に住む住民と手直しした自宅に住む住民との交流を目的に建設された簡易集会所も、互いに遠慮し合ってしまい交流目的では思うように活用されずていないとの現状をお聞きしました。またこのままでは復興が計画通りに進んでも震災前の40%しか、住民が地元に戻らないとのデータが出ており、コミュニティーが衰退していくことが懸念されています。
 「せっかくの水産のある漁師町。この鍬ヶ崎地区に住む存在価値を考えていきたい」との強い思いから、鍬ヶ崎地区にある簡易集会所や仮設団地の談話室、『番屋』で行われるイベントやコミュニティーを図るための記事等を掲載した『鍬ヶ崎かわらばん』を作成し、鍬ヶ崎地区の約600世帯に配布しています。
 今年の3月に、先に述べた「港の幻灯会・映画上映会」を開催しましたが、これに参加された住民の方からも、「かわらばんで、この上映会を知ったよ。こういう情報が欲しかったんだ」との嬉しいお声も頂きました。
 これからも定期的に鍬ヶ崎かわらばんを作成して旬な情報を速報性を持って届けたいと思っています。

これからの展望
 『地域コーディネートセンターみやこ』は、様々な形の中間支援事業と文化芸術事業という2つの軸で展開しています。
 中間支援事業は、団体と団体、団体と個人などのそれぞれの目的を持った活動の中から、相乗効果が狙えるものをマッチングしたり、支援活動をつなぐのを役割と位置づけています。これは復興に向け継続的な支援体制を作るプロジェクト『みやこほっこりエイド』につながっています。現在は宮古市の姉妹都市でもある青森県黒石市の津軽こけし館が第1回目の「応援スポンサー」となり、『みやこほっこりチャリティーこけし』を販売しています。私たちは宮古を応援したいという企画や企業の受け皿となり、ほっこりエイドに賛同する宮古の市民団体に支援金が分配されるように取り組んでいきたい。このほっこりエイドに参加した団体や宮古市民の温かな気質をネットワーク化し、つながりを大切したプランニングを行っていきたいと考えています。

 もう一方の文化芸術事業は、文化や芸術を通して地域を豊かにしていこうというものです。文化や芸術の振興だけでなく、文化や芸術を通しての町づくり、が根幹となります。現在、宮古北高校さんと映像分野に焦点を当てたワークショップを通じて作品作りを発表する、というプロジェクトを進めています。宮古市には岩手県沿岸唯一の映画館があります。これを通じて映像や映画に特化したまちづくりをしていくのも面白いかな、と考えています。昨年行った「ほっこり映画祭」もこの流れを組んでおり、ほっこりみやこ実行委員長として『みやこシネマリーン』などを地域づくりの目玉として様々な企画を行い、映像・文化・芸術を通した地域づくりを進めていきたいですね。

 様々な分野で活躍している金野さん。それぞれにそれぞれの想いを乗せて、一つ一つを意味のあるものにしていこうという気概が感じられました。町づくりのコーディネーターとして、今後さらなる活躍を期待しています。
ありがとうございました。