~めっけもん通信~


 陸中海岸国立公園と称していた岩手県久慈市から宮城県気仙沼市に至る約180kmの海岸線が、東日本大震災により被災した三陸地域の復興に貢献するために平成25年5月に「三陸復興国立公園」として、新たに創設されました。 八戸・宮古・釜石・大船渡・気仙沼など日本有数の水揚げを誇る漁港を有する延長約220kmの国立公園です。この公園は北部と南部で表情が全く異なります。宮古市の浄土ヶ浜に例えられる北部は隆起海岸で、最大で200mを及ぶ大規模な海食断崖で形成され、宮古市以南の南部は典型的なリアス式海岸で形成されています。そんな陸中海岸国立公園で平成17年からアクティブレンジャーとして活躍されている高屋敷七恵さんにお話を聞きました。

アクティブレンジャー(自然保護官補佐) 高屋敷 七恵さん
 アクティブレンジャーとは  国立公園や希少野生生物の現地管理業務を行う環境省の自然保護官(レンジャーといわれる)の補佐役で、パトロールや利用者指導、調査研究、自然解説など、主として野外の現場業務を担う環境省の職員です。
 東北管内にも、自然環境を活かした豊かな地域づくりのために自然保護官事務所を13カ所設置しています。その自然保護官事務所では10人のアクティブレンジャーが活躍しています。その中の一つ、宮古自然保護官事務所では陸中海岸国立公園を主に管轄しており、自然解説などを行っているパークボランティアの方との連絡調整や、アクティブレンジャー日記(http://tohoku.env.go.jp/blog/index.php)というブログを活用し、陸中海岸の魅力や現状の情報発信を行っています。

三陸復興国立公園の中にある宮古市の魅力
 約220mにも及ぶ三陸復興国立公園の中でも宮古市にある浄土ヶ浜は、「さながら極楽浄土のごとし」と讃嘆されたように、白い岩肌と木の緑、そして海のコントラストが美しく、三陸復興国立公園を代表する景勝地の一つです。

 春から秋にかけて『やませ』という冷たく湿った海側から吹き付ける北東風の影響で高山植物も多く自生しています。6月上旬にはニッコウキスゲ、7月から8月にかけてはクルマユリを目にすることができます。

 その豊かな自然と共に人が共生しているところが宮古の良いところと話す高屋敷 七恵さん。  



 「何度も津波による自然災害を経験しながら生活の中に津波の文化がある」と語ります。津波災害の教育を小中学校で学んできたことや、人の温かさ優しさは進学のため宮古市を離れたことによって強く感じることができました。
 もともと体を動かすのが好きで高校時代から行なっているヨットは今でも続けています。宮古市にはヨットハーバーがあり、大学卒業後地元に戻り宮古市でヨットのインストラクターを務めた経験ももっています。マリンスポーツを行える環境も宮古市の魅力だと感じています。

新たな国立公園へ、グリーン復興プロジェクト
 森・里・川・海とつながりを生む自然こそが豊かな暮らしの源のもと、現在ある陸中海岸国立公園を青森県八戸市の蕪島から宮城県石巻市・女川町の牡鹿半島まで広げ『三陸復興国立公園』を中核に『グリーン復興プロジェクト』を進めています。自然の上に成り立っている地域の暮らしや文化の活用の場、自然の驚異を学び人と自然のかかわり方を見つめ直す場の整備や、災害廃棄物由来の再生資材の活用など、これまでにない新しい取り組みを積極的に進め公園区画、保護、管理のために地域区分を見直しています。また、グリーン復興プロジェクトの中で三陸地域を南北につなぎ交流を深める道として『長距離自然歩道 東北海岸トレイル(仮称)』も計画されています。災害時には避難路としての活用も検討されています。
 まずは、『グリーン復興プロジェクト』を多くの方に知っていただくために、浄土ヶ浜ビジターセンターで特別パネル展示『陸中海岸国立公園復興の歩み』を現在行っています。陸中海岸国立公園内にある海岸や海水浴場の震災時の写真と、復旧後の写真が展示されています。



 また、アクティブレンジャー日記のブログや、『自然だより』という月1~2回A4一枚の新聞を発行し、浄土ヶ浜ビジターセンターや駅前の観光案内所に置き情報発信を行っています。

これからの夢
 グリーン復興プロジェクトを地元の皆さんに感心を持っていただき、小さい子どもたちにも地元の宝ものとなってもらうように、もっと地域のことを学びながら情報発信を行っていきたい。そして自然と人が共生する宮古市に貢献していきたいと力強く語ってくれました。